この章では、具体的な構成の方法について、実例を用いてお伝えいたします。
構成に必要な3ステップ
ブログ記事を構成する工程は、いたってシンプル。
主題を決める
(メインキーワード)
関連キーワードを書き出す
(サブキーワード)
取捨選択をする
「構成」という言葉には少々堅苦しい響きがありますが、難しく考えなくて大丈夫です。
書くべきことを一覧に
サブキーワードを書き出して一覧にします。
「書きたいことではなく書くべきこと」を・・・と言いたいところですが、現段階では分類できておらずとも心配ありません。
書き出す方法は大きく2つ。
- 思いつくままに書く(主観的)
- ニーズありきで書く(客観的)
ブログを立ち上げて間もない方は、まず「1.思いつくままに書く(主観的)」方法で。
「2.ニーズありきで書く(客観的)」方法は SEO の知識と経験が必要です。
1.思いつくままに書く(主観的)
ブレインダンプ的に、思いつく関連キーワードをダダーッと書き出してみましょう。
※ブレインダンプ・・・頭の中にあるものを全て書き出すこと。ふだん意識せず考えていることを言語化し、思考の整理をします。
2.ニーズありきで書く(客観的)
ツールを使って関連キーワードを洗い出す方法もあります。
表示順位ごとの月間検索アクセス予測数をチェックするならこれ。
なお、ここでは詳しいツールの使い方やSEO対策についての解説はいたしません。必要であればオンライン個別サポートをご利用くださいね。
キーワードを分類する
関連キーワード(サブキーワード)を属性ごとに分類します。
※属性・・・性質が同じもの・似たものを指します。
※需要やライバルを探りつつキーワードを選定します。(SEOの分野に踏み込む必要があるため、具体的な方法についてはここでは述べません。)
実例を見てみましょう
最も簡単な「並列型」の実例を使ってお話しします。
例えば・・・
このほど長女が大学に進学しました。
進学に際し、資金の準備やら休みの段取りやら、せねばならないことが山積み。なのに大学のホームページには載っていないことが多くて本当に困りました。
そこで考えたのです。

記事にして残しておけば、きっと誰かの役に立つ。
メインキーワード(主題)を「大学」に。
そして「大学」に関連するキーワードを思いつくまま書き出していきます。
大学進学といえば、まずは「公立 or 私立」「県外 or 地元」問題に頭を悩ませます。
そこに絡んでくるのが偏差値と内申書。専願で行けるのか。推薦は受けられるのか。合格するためには共通テストでどの程度の成績を収める必要があるのか。
浪人した場合を想定して、高校には補習科があるのか、予備校はどうするかなども調べておかねばなりません。
奨学金はいくら借りられるのか。大学はお金がかかりますから、アルバイトをして自分のお小遣いを捻出してもらいたいという思いもありました。
他にも気になること、知りたいことはたくさんあります。
例えば・・・
- 教科書代はいくらかかるのか
- 学費には教科書代・研修費なども含まれているのか
- 定期代はいくらかかるのか
- 同窓会費やPTA会費は必要なのか
- 奨学金の申請準備はいつ始めればよいのか
深く考えずにダダーっと書き出すと▼こんな感じになりました。

▲こちらの画像は「XMind (エックスマインド) 」のスクリーンショットです。
「XMind」を使った方法は▼こちらの記事でご紹介しております。
章ごとに動画を添えて解説していますので、ぜひマスターしてくださいね。
なお、この記事を構成した際の動画もごらんいただけます。
これらを属性ごとに分類してみます。
足りないものや途中で思いついたものはどんどん足していきますよ。

キーワードを絞り込む(取捨選択)
次に、どのカタマリについて書くか決めます。
長女の進学に当たり、私が最も知りたかった、そしてこの先も頭を悩ませ続けるであろう(泣)「費用」について書くことにしました。
子どもを大学に進学させるには多額の資金が必要。準備を始めるべきタイミングや経験に基づいた実際の金額が事前にわかると非常に親切です。
わたし以外にも困っている人がたくさんいらっしゃることでしょう。
なにしろ、先輩がいなかったため誰にも教えてもらえず、すべて手探りでしたからね・・・。
ただ、コトの最中は真剣に困っていましたが、実はその裏で「これは記事ネタになるな」などと考えておりました。

ブロガー魂は健在です。
家族や生活にかかわるイベントや好きなことであれば、日常がネタであふれていることに容易に気づきます。

あのときこんな情報が欲しかった・・・。
と感じたことをネタにするのがブログを充実させる最もおすすめの方法です。
さて。
娘の進学先は岡山県内の某私立大学。
「岡山県内の某私立大学への進学にかかった費用」について書くことにしました。
入れ忘れていることに途中で気づいたキーワード「進学」「私立」を「費用」の項目に足します。

見出しを作る
先ほどのキーワード群から見出しを起こしてみましょう。
先ほどのままだと情報量が多すぎるので、「進学」に絞って表示させてみます。

さらに、「国立」は選択肢から外れたので、ひとまず削除しておきます。
※本来は選考にもれたキーワードも削除しないようおすすめしています。

関連記事のネタになるよ。

もう少し情報を足してみます。

このマインドマップから見出しを起こします。
「XMind」であれば、「私立」の枠をコピーして編集画面に貼り付けるだけで▼このとおり。
※Gutenberg (グーテンベルク) および Classic Editor (クラシックエディタ) のビジュアルエディタにて確認済みです。

▲この状態から実践してみます。
このキーワード群の中で
- 大見出し(H2)にするものに赤い下線
- 中見出し(H3)にするものに青い下線
を引いて抜き出します。
▼この画像を参考に。

なお、「私立」と「費用」はメインの「大学」と併せてタイトルに使うことになるので、取りあえず別にしておきます。
- 入学金
- 授業料
- 教科書代
- 教材費
- 資格取得のための教科履修費
- 諸費用
- JR定期代
- 受験料
- 入学金・授業料
・教科書代・教材費・資格取得のための教科履修費 - 諸費用
・JR定期代 - 受験料
- 受験料
- 学費
・入学金
・授業料 - 履修費用
・教科書代
・教材費
・資格取得のための教科履修費 - 諸費用
・JR定期代
最終的には▼こんなふうにまとめました。

難しくなかったと思います。なぜなら、とても身近な話題だから。
そして記事の構成が「並列型」だから。
「記事の書き方がわからない・・・」とお悩みの方、どうしても手が止まってしまう方は、「並列型」が使える身近なネタを見つけてみてください。
特に、実際に体験したことであれば、構成や言い回しに頭を使うことなく、ただただ思い出しながら事実をありのまま書くだけですから、ラクに進められますよ。
最後に肉付け
記事の構成=骨組みが完成したら、あとは肉づけしていくだけです。
ちなみに、大のトマト好きのムスコは、「骨組みに肉付け」よりも
- トマトのタネを蒔いたら
- 芽が出て
- 葉が茂り
- 花が咲き
- 実が成る
様子の(私が描いた下手っぴぃな)絵で伝えると理解しやすかったようです。
ただ、「枝葉を切り落とす勇気を」と謳った手前、植物は例えとして使いづらいという現実があります・・・。
▼こちら(架空の記事)を参考にしてみてください

肉はほどほどにね。

腹八分目。

素うどんに油揚げとネギ。くらいのイメージで。

肉どこ行った!
▼これは欲張りさんのすること。うどん屋さんは喜ぶかもしれませんが、ブログ記事の読者さんは喜びません。

「腹八分目って言われても・・・」とお思いの方もいらっしゃることでしょう。
そのような場合は

最も重要な情報は?
と自問してみてください。
▼こちらの記事の場合、最も重要なのは(正確な)金額。画像や個性は要りません。
余談はもちろんのこと、あいさつの言葉すら不要だったりします。

「何を書くか」を考えるとき、あれもこれもと手を出しすぎて、余談だらけになっていませんか?
文字数を稼ごうとしているわけではないのかもしれませんが、「余談ですが」とか「話がそれましたが」が多用されている記事をよく見かけます。添削をご依頼くださった方の記事にも・・・。
「余談ですが」を使いたくなったら、ちょっと立ち止まって「別の記事にできないか?」と考えてみてください。そして適切に内部リンクを張るのです。


▲これだけあったら3記事は書けます。
- 「きつねうどん」で1記事
- 「おいなりさん」で1記事
- 「かき氷」で1記事

ついつい盛りすぎちゃうけどガマンね。。
関連記事が増えれば内部リンクが貼れます。記事数が増えればブログが充実します。
適切に内部リンクが張りめぐらされたブログ構造はユーザー想い。回遊率アップに貢献します。
ひいては・・・もうおわかりですね。
足し算ではなく引き算

あなたは記事を書くのが好きですか?
「はい」とお答えになった方は注意が必要かもしれません。
なぜなら、書くのが好きな人ほど、書いているうちにどんどん話をふくらませてしまい、あれもこれもと盛り込みたくなるものだから。
でも、足していくとキリがないですね。特に、好きなことや得意なことを書いているときは、書いても書いても語り尽くせぬ思いがあふれてきます。
わかります。私もそうでした。
ついつい大盛りにしてしまうクセがなかなか抜けず、気づけば3万文字を超える記事も・・・。

読むのに1時間!
※日本人が1分間で読める平均的な文字数は400~600文字。3万文字を500文字で割って「1時間」としています。

誰が読むねん・・・ってことですよ。

自分で言っちゃったね。
この仕事を始めてから気づいたんですよ。▼こんな方法があるということに。
- 書くべきことに絞る
- 5,000文字くらいに削る
- 何記事かに分割する
- 内部リンクを貼る
この章の冒頭で「文字数を稼ごうとしない。あくまでユーザーファースト。」なんて主張しました。
情報をしっかり盛り込んだ記事がダメだと言っているように読み取れるかもしれません。
でも、そうではないんです。
読み手の質問(=読み手にとって必要な情報)には、読み手が欲している最小限の文字で答えてあげる。要点はここです。
例えば、

「ユウウツ」は漢字でどう書きますか?
この質問に必要な文字数(答え)はたった2文字。

「憂」「鬱」
要するにそういうことです。
こんにちは。瀬戸内ことりです。ゴールデンウィークだというのに、何だか肌寒いですね。
ところで、あなたは「ゆううつ」という漢字をご存じですか?
あまり使う機会はありませんし、画数は多いしで、なかなか覚えられませんよね。読めても書けない漢字のトップバッターに挙げられるのではないでしょうか。
そんなわけで、今日は「ゆううつ」という漢字についてご紹介していきたいと思います。ぜひ最後までお読みくださいね!
「ゆううつ」の意味
「ゆううつ」という言葉はもともと・・・・・・云々
▲これをお読みになり、どんな感想をお持ちになったでしょうか。
おそらくほとんどの方が

「ゆううつ」の漢字が知りたかっただけなのに。

この説明、要る?
とお感じになったはずです。

あいさつ要る?

この説明、要る?
と思われた方もいらっしゃることでしょう。
足し算ではなく引き算。削除してもきちんと伝わるなら、その言葉は初めから必要なかったということです。
大事なことなのでもう一度 言います。
最小限の文字数で最大限の情報を届けることを意識してみてください。
不要な文章で文字数を稼がず、関連記事を増やすことに心を砕きましょう。

反対に、必要な情報、あるいは役立つ追加情報であるにもかかわらず「余談ですが」をお使いの方もいらっしゃいます。
読み手の視座に立ち、要・不要の選択が適切に行えるようになりたいものですね。

文字を使った発信をする際に私が気をつけていることがあります。
それは、できる限り「『ない(否定形)』で終わる言い回しを避ける」ということ。
例えば「捉えられかねない」という言葉。パッと見、「捉えられる」のか「捉えられない」のか、文字情報では判断がつきにくく、反対の意味に捉えられかねません。(←笑)
さらに、人は肯定されたい気持ちが大きいもの。『ない(否定形)』で終わる言い回しを避け、肯定形をお使いになってみてください。
「捉えられかねない」は
- 捉えられる可能性があります。
- 捉えられるおそれがあります。
難しい漢字を避けるなら、
- 誤解されるおそれがあります。
- 間違った認識を生む可能性があります。
こんな感じかな。

4章『構成の実例』はここまで。
次の章では、無料で使える便利なオンラインツールについてお伝えします。